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高森明勅
2019.10.26 06:00皇室

即位礼の「進化」

10月22日の「即位礼正殿の儀」。

高御座(たかみくら)の天皇陛下の古風なご装束が
印象に残ったのではあるまいか。
実は、あのご装束を即位礼でお召しになるようになったのは、
明治天皇のご即位の時から。
ご装束自体は平安時代に遡る。
しかし即位礼では、シナ皇帝が着ていた絢爛豪華な「礼服(らいふく)」だった。
又、当日、高御座の横に置かれた御帳台(みちょうだい)も存在感があった。
だが、即位礼にあの御帳台が置かれるようになったのは、大正天皇の時から。
この時に、初めて皇后が御帳台にお昇りになる予定だった(当時は貞明皇后)。
だが、めでたくご懐妊中の為、お出ましはなかった。

従って、皇后が初めて御帳台に昇られたのは、次の昭和天皇の時(当時は香淳皇后)。
更に、東京・皇居で即位礼が行われたのは平成、つまり上皇陛下の時が最初。
それまでは、明治天皇が東京にお移りになって以降も、京都御所で行われ
続けていた。

加えて、「祝賀御列の儀」が行われたのも、平成が最初だった。
このように即位礼も「進化」している。
どんどん、より「日本らしく」なっている、と言うべきか。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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